枝廣淳子さんセミナー「低炭素・循環型社会形成のために 私たちのできること」メモ
環境ジャーナリスト枝廣淳子さんのセミナー
「低炭素・循環型社会形成のために 私たちのできること」に参加してきました。
枝廣さんの大ファンなので、聴けて嬉しかったです!
下記はセミナーメモです。
資料もいただけて嬉しかった!私もがんばるぞー♪
【はじめに】
・環境・・・主流派になった。→エコ疲れも? ・立ち位置を考えていかなければならない。 ・めげてしまう時が多い→世界全体が考えるとき。
【平均気温の上昇】
・100年後には1.8~4℃の上昇が予測される。 最大では6.4℃も上昇。
・最悪より悪いパターンで温度が上昇
【ポスト京都】
□京都議定書
・第一約束期間(2008年~2012年)
・問題点 -ヨーロッパ、日本など先進国だけが削減義務を負っている -アメリカが入っていない。 -中国、インドなど急速に発展している途上国も、 削減義務は今はない。
【2℃以下】
・米国や中国、インドも「産業革命に比べ気温上昇を 2℃以下に保つ」目標は一致。
-「2℃」:不可逆的に温暖化が進行する分岐点とされる。
・「小島嶼国連合」:1.5℃以下に保つよう求めている。
【コペンハーゲンでの重要ポイント】
・先進国の削減目標 →全体で、2020年に25~40%(90年比)削減
・途上国の一部は、2020年に成り行きよりも 相当量削減するための削減行動・努力
・先進国から途上国への緩和・適応の資金・技術援助
【途上国 対 先進国】
・途上国:「温暖化の責任は先進国にある」
先進国のみに削減義務を課した京都議定書の延長を支持
・日本など:「京都議定書の延長では米国や中国が入らない。 実効性が上がらない」と主張
【先進国の削減目標】
・米国 05年比 17%削減、90年比 3%削減 (25年に05年比 30%、40年に 83%減のロードマップ)
・EU 90年比 20~30%削減
・ドイツ 90年比 40%
・英国 90年比 26%以上
・日本 90年比 25%
【途上国の削減目標】
・中国: Co2を2020年までに05年比でGDP比40~50%
・インド:20年までに05年比、GDP当たりのCo2を20~25%減。 20年までに太陽光発電出力を現状の10倍以上に増やす。 12億人までのうち4億人が貧困層で、電気を利用できない状況。
【COP15の顛末】
・先進国vs途上国(中国他)vs途上国(ツバル他)
・動けない米国
・主導権争い
・途上国の力が大いに強まる
・明確にわかったこと→「国際交渉を待っていてもダメ!」
【問題は温暖化だけではない】
■生物多様性の問題
・生物の絶滅スピード:通常の1000倍
・絶滅危惧種の割合
・哺乳類:21% ・鳥類 :12% ・両生類:30% ・淡水魚:37% ・植物 :70%
■エネルギー問題
□日本の一次エネルギー
・石油(44%) ・石炭(22%) ・天然ガス(18%) ・原子力(10%) ・水力(03%) ・新エネルギー・地熱など(03%)
(1次エネルギー国内供給(07年度) :資源エネルギー庁「2009年エネルギー白書」)
□石油の「ん」(ピークオイル)
・石油の生産量のピークがあり、いずれ下がる(2012~2014年の間)
□IEA(国際エネルギー機関)2009年8月
「世界の埋蔵量の3/4を締める800の油田を調べたところ、 主要な油田のほとんどでは、すでに産油量がピークを過ぎており、 世界全体の産油量も10年以内にはピークに達するだろう。」
「2007年に、産油量の減少率は年3.7%と予測していたが、 実際は年6.7%で、前の予測は違っていた。」
□石油がないと食べ物も作れない
<1kカロリーの栄養=10kカロリーの化石燃料>
→ダブルパンチ、トリプルパンチ、もっとたくさんパンチ・・・・が いっぺんにやってくる!?
【なぜこのような状況に・・・?】
・地球の大きさは決まっている
・人間の影響が急激に大きくなってきた
・人間のエコロジカル・フットプリント、 地球1個分を超えてしまった!(1.4個分)
【本当に大事な事:どういう日本にしていきたいのか?】
・25%削減は通過点。どういう日本にするか?
□これからの時代
★温暖化→炭素制約強まる(炭素コスト↑) ★ピークオイル→化石燃料コスト↑ 食料価格↑
省エネ+エネルギー転換 (化石燃料→自然エネルギー) ※スウェーデンの事例:2005年→2020年に 石油を使わない。
★人口減少・高齢化 買い物難民、行政サービス負担増・・・・ 長い通勤時間、育児できない、少子化・・・
【日本の「25%削減」】
・最終目標ではなく通過点としての「2020年」。 2020年以降の低炭素化へもつながるように。
・いかに短期的な移行コストを減らしつつ、 必要なことができるかが、政治・行政の腕の見せどころ
・国際公約「他の主要国がやるから」という条件
・地球や世界のためでなくても、日本のため、自分たちのために やるべきことをやる
【固定価格買取制度】
・自然エネルギーによる電力を、発電コストより高く買い取る ・長期的に買い取ることを保証することで、投資を呼び込む ・買い取り価格と発電コストの差は、国民が広く薄く負担することで、 社会として自然エネルギー導入を進める
【地球と自分のつながりを考える】
・私たちは、食べ物を食べる ・いろいろなモノを使う ・あちこちに行く(移動する) ・ ・ そのすべてにエネルギーを使っている お金の流れる方向に人々も社会も動く
【変えていくために】
・その1.
●伝えること
-政治家へ、行政へ -新聞への投書は有効
-企業へ -お客様の声は必ず聞くしくみになっている
※「批判」よりも「提案」すること ※「ほめる」ことも大事
-人々へ
※一度であきらめず、繰り返し、手を替え品を替えて
・その2.
意識啓発やかけ声だけでなく、
●望ましい行動をとりたくなる「しくみ」を作っていくこと
例)レジ袋有料化の効果 エコカー減税、家電エコポイント、住宅エコポイント
●コストと負担について考えること
・その3.
●これまでの「思い込み」から自由になろう!
例)「外食には割り箸がついているものだ」 「お弁当は使い捨て容器に入っているものだ」
【持続可能な社会とは?】
「地球の限界の範囲内」で 「本当の幸せを創り出す」社会。
温暖化は史上最大のチャンス!!
時代が動かざるを得ないとき、 社会や経済の仕組みを変えざるを得ないとき、 望ましい大きな変化を創り出せる!